志方東営農組合では、水田の作付けのない圃場で、「シロガネ小麦」「ゆめちから」の作付けを行っております。
志方東営農組合では、21年の設立当初より「シロガネ小麦」を作付しています。
「シロガネ小麦」は、10月中旬から、水に弱いため、圃場の表面に弾丸暗渠作業を行います。これは、圃場の表面の排水処理ができるようにするためであり、圃場の四角に深く少し大きめな溝をつくり、雨が降っても圃場の水はけが良くなるように準備を行います。
溝掘りを行い排水対策
シロカネ小麦の播種作業
10月の下旬~11月上旬に乗用麦播種機で種子を播種し同じくして除草対策を行い生育の状況を観ます。
播種した後除草剤の散布
翌年1月中旬、圃場が乾いている時に、麦踏み(トラクターにロラーをつけて)を行います。これをすると成長が良くなると言われており、むぎの栽培が始まってからは行っている作業のようです。寒い時期なのでトラクターに乗り運転している作業者も大変です。肥料散布も行います。
シロガネ小麦は、水に弱く水捌けの悪い圃場で播種していますと土中で種子が腐ったりして発芽しません。準備段階で排水処理が出来ているか否かで収穫量に大きく作用します。
小麦の開花時期から開花最盛期の時期には、赤カビ予防が必要になります。
赤カビの予防
カビが発生しますと、小麦としての出荷が出来なくなります。例年4月の中旬ぐらいから「な種梅雨」と言い長雨が続くと赤カビ予防が必要です。
毎年6月10日前後から刈り取りが始まります。今年は梅雨入りをしていましたが、お天気に恵まれて5日ほどで刈り取りが終了しました。
左は、ゆめちからの穂 右は、シロガネ小麦の穂
刈取りする場合の穂の水分を図ります
雨の多い時期の晴れ間に集中しての刈り取り作業
シロガネ小麦は刈り取りが終わりますと、JA兵庫南の志方ライスセンターに搬入して乾燥処理をお願いしています。
乾燥が終わりますと、全農に出荷します。シロガネ小麦は、中力粉として、販売されます。中力粉は、うどんによく使われているようです。
しかし、シロガネ小麦につきましては、年々収穫量が減少しています。その原因は、気象条件(ゲリラ的豪雨がふえている。)にもよりますし、土壌の成分にも関係します。また、圃場の排水処理が適切に行われていない圃場は収穫量減少が謙虚あらわれています。地球の温暖化の影響を真面に受けて行くのが農業です。
温暖化にも対応できる農産物の作付を考えていく必要があります。
その対応ではありませんが、シロガネ小麦に変わるものとして、「ゆめちから」を23a作付しました。
「ゆめちから」は北海道で多く作付されており、兵庫県ではたつの市管内で作付が行われています。
ゆめちからの小麦の品質は、超強力で、中力粉麦をブレンドすることにより、パン・ラーメン等に利用が可能になります。25年産として収穫したゆめちからです。
ゆめちから作付の圃場
刈り取ったゆめちから